断章のグリム 赤ずきん 6下 甲田学人 三日月かける → bk1 / amazon
この緊張感が良い
今回は規模の割に、原因が身近で理不尽さが際だった気がする
ほとんどなんでもない、と言える出来事が、長い時間をかけてゆっくりと狂っていく
そして、この結末
自分の罪を隠したいという普通の動機が引き起こした悲劇と、騎士団の存在理由との同値関係
ゆるんでくると、恐怖で持ち上げてくれて、上下巻一気に読めた
象徴や怪談との対比などの、知識のほうもよくできてたと思う
理不尽さと自業自得が折り重なって紡がれる物語
身内を守るというマトモな理由(ただし微妙にちぐはぐ)で行動し、身内にホルダーを抱え悲劇を拡大してしまうユウジ
普通はもう少し救いもあろうというもの
(特に身内を守るために道理を軽視するのはセカイ系によくあること)
でも、それを描いてくれるところが良いんだよね